内装の規制とコーディネート
内装材には、シックハウス対策として建築基準法によって制限が与えられています。
揮発性有害物質
内装材には、建材の接着剤や塗料に含まれる化学物質「ホルムアルデヒド」の規制をしているのです。
内装材の主な化学物質としては、接着剤の原料となるこの「ホルムアルデヒド」の他に、接着剤および塗料の溶剤(薄める薬剤)に使用される「トルエン」「キシレン」、防虫剤・木質保護剤の「パラジクロロベンゼン」、樹脂の原料である「スチレン」などが挙げられます。
これらを総称してVOC(揮発性有害物質)と呼んでおり、「ホルムアルデヒド」の放散量が極めて少ない内装材には、F☆☆☆☆(フォースター)の等級が与えられ、面積の制限無しに使用してよいとされています。
自主規制とされている有害物質
「ホルムアルデヒド」以外のVOCでは、各メーカーの自主規制とされており、統一された表示が成されていません。樹脂系塗料で厚生労働省のガイドライン値を下回っているものが、「低VOC」と謳っている場合がある程度です。
化学物質を含む内装材を使用するのであれば、消費者の側からMSDS(化学物質安全データシート)を取り寄せることができるので、内容を確認しておくことが望ましいです。
シックハウス対策の内装材
シックハウス対策となる内装材には、漆喰や珪藻土、無垢の木材などの自然素材が一般的で安心できます。自然素材を用いた壁紙では、和紙や布などがあり、色や柄を豊富に選ぶことができ、デザインが異なっても価格はそれほど変わりません。
左官材でも職人が塗る仕上げ方によって表情が変わり、塗り方次第で部屋の雰囲気が違って見えます。汚れやすい腰下だけを板貼りにするなどして、壁の上部と下部で使い分けるのも、インテリアコーディネートのひとつです。内装材には、“安心”で“楽しめる”仕様選びをしてゆきたいものですね。